「大家業は究極の低人件費事業である」
「人に悩むことのない事業である」

この事を実感している不動産投資家は非常に少ないと思われます。
私もこの事を大家を開始して10年経過した時期に実感することとなりました。

きっかけとなったのは、アカデミー会員に障害者グループホームを経営している方が数多く入会した時期です。
当時、郊外の安い戸建てを借りて、そこに4人程度の障害者の方々の衣食住をお世話するというビジネスが流行っていました。

当時入会した会員の多くは、この事業に新規に参入していましたが、収益が出ずに集客もままならず、苦労されていました。
その一方で、私の友人でありアカデミー会員であるO氏が、自己保有のシングルタイプの1棟RC物件で障害者のグループホーム(GH)を運営し、大きな成果を上げていたのです。

次から次へ入居希望者が殺到して、一般の方の退去する空室が追い付かない程の盛況ぶりでした。
私とO氏はこれが全く新しい大家業となることを確信して、アカデミーにおいてもO氏をフォローできる方々を会員として受け入れたのです。


さて、その時に障害者GHを運営している新規アカデミー会員が運営する福祉法人の決算書を複数拝見することができました。
そこで驚いたのは、人件費の割合の高さです。売上は国からの補助で非常に大きいものの、障害者をお世話する世話人や管理者の人件費に売上の50~60%が出て行っていました。

50~60%は戸建てタイプのGHを複数棟すでに運営している方の法人でしたが、1棟の方は人件費で赤字、2棟くらいを
運営して初めて人件費を払える規模になり、なんとか黒字になる事業でした。

大家業は管理会社へ支払う管理費(賃料の5%)が人件費に相当するコストくらいです。よって、すべての事業のなかでも稀にみる人件費の低さに改めて認識したという訳です。


1棟RCシングルマンションで障害者GHを運営するという手法は、当アカデミー会員が先駆者となり、いまでは日本各地でこのタイプのGHが見受けられます。都市型新大家モデル(都市型福祉GH)となずけ、当時は大いに宣伝させて頂きました。
戸建てタイプのGHは全国的に大手企業も参入して、いまは乱立状態となり、ビジネスとして高収益を出すことは年々、難しい状況になっているようです。


一方、我々が先駆者となった都市型新大家モデルにおける障害者GHは、地域を選択すればまだまだ高収益を維持できるビジネスです。
人件費についても、戸建てタイプの50~60%程度に抑えることができますので、これから福祉事業に参入する方は、この都市型福祉GHをお勧めします。

私のYouTubeチャンネルにも都市型福祉GHについて、O氏との対談動画をアップしているはずですので、興味のあるかたは参考にして頂けたら幸いです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
 


不動産投資家にとって、融資の金利はキャッシュフローを左右する重要な指標です。
長い間、日銀・黒田総裁(+安部首相)の異次元の金融緩和政策によって、我々は低金利を謳歌して来ましたが、それもいよいよ転換となりそうです。

最近、ドル円相場において、円買い介入の動きがありましたが、それも米国イエレン氏の牽制発言で、今後の円買い介入が非常にやりにくくなった模様です。
植田総裁と岸田首相の会談が久々に行われたとの報道があり、植田総裁の発言も利上げ寄りに傾いてきていて、ドル円の円安を防止する対策としては利上げもやむなしとなる予感があります。


そうはいっても、米国のように0.25~0.5%の利上げを年に何回も行うことは、日本では到底無理と思われます。
せいぜい、0.1%や0.2%程度の小幅な利上げ、しかも年に数回程度しか許されないでしょう。

なぜなら、特に変動金利で住宅ローンを借りている多くの庶民が苦しむからです。
減税で政権を維持したい岸田首相にとって利上げは避けたいはず、しかし金融市場での円安は頭が痛い両ばさみの状態です。


不動産投資家と言えども、利上げに対して無傷では済まないと思います。・・・が、一般庶民に比べると耐力があるはずです。
何故なら、住宅ローン支払いの原資は、
・一般庶民は給与から
となりますが、不動産融資の支払いは、
・大家は入居者からの賃料から
充当されるからです。


先週、たまたま金消契約の変更手つづきがあり、銀行に聞きました。すばり、今後の融資の金利上昇があるか否か。
答えは、
・短期プライムレートが上がればありえる
というものでした。
要するに、不動産融資(プロパーローン)の金利は、短期プライムレートに連動すると考えるべきです。


現在の銀行の短期プライムレートは、銀行で多少差がありますが、次のようになっています。
<都市銀行、SMBCや三菱UFJ等>
 1.475%で統一されている模様
<地方銀行>
 1.85%(Y銀行)
 2.35%(HN銀行)
 など、1%後半から2%前半が多い


現在、私が受けている不動産融資(プロパー)の金利(変動)は1.0%~1.3%。今後は、各銀行の短期プライムレートの変更に良く注意しておくようにしましょう。

一つの対策としては、変動金利で借りている場合には、固定金利に切り替えるということも有効かもしれません。
また、現在でも融資返済がきつい場合、0.2~0.5%の金利上昇となる場合の返済シミュレーションの実施をしておく事を強くお勧めします。


私の場合は・・・・幸い、残債はかなり減ってきておりますし、
手持ち資金もありますので、逆に残債を大きく繰り上げ返済するチャンスと捉えていこうかと思案しているところです。
ただし、一般論としては不動産融資の元金を早期に繰り上げ返済することは、全くの禁じ手であることは、付記しておきます。


今日は、不動産融資の金利が上がる可能性について、述べてみました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

 

物件紹介を受けて現地調査して物件への取り組みを判断する際、どのように行っているか。
今日はこの事について、考えてみます。

例えば、次のような物件を紹介されたと仮定してみます。
・1棟RC物件
・シングル30戸、25m2ワンルーム
・地方都市の比較的中心地
・駅から徒歩10分
・築25年、価格1.5億円
・表面利回り9.5%

今の市況から見れば、取り組み検討に値する物件でしょう。
慾を言えば、利回りは10%を超えて欲しい処ですので、仲介を通じて価格の交渉をする事にします。

さて、AさんとBさんが候補者にいたと仮定します。現地調査の結果、
・Aさんは積極的に取り組む
・Bさんは取り組みしない
という結論に到達したとします。


当然、AさんとBさんとでは、物件を判断する根拠が違う訳ですが、私が長年苅田アカデミーというコミュニティを運営してきて、不動産投資に成功する人は、必ずこの観点で物件を判断していることに気が付きました。

一つ、たとえでヒントを出します。物件見学を終えた後の2人の感想です。

Aさんのコメント
・利回り11%の指値をしようと考えている(落としどころは10%~10.5%)
・交通利便性もよく、買い物の近場がある(単身者で徒歩圏内ですべて揃う)
・土地がやや傾斜しているが、問題無し(3~4年くらい住むのには問題無し)
・総合的に満室経営が出来そう

Bさんのコメント
・利回りが自分の基準に到達していない(築25年であれば10%以上は必要)
・持ち込む銀行が好まない物件(付き合いのある銀行の営業地域外)
・物件背面が傾斜地で、日当たりも悪い(物件の雰囲気が暗そう)
・何となく気が進まない(大家として持ちたい物件がしない)


違いに気が付かれましたか?
Aさんは、入居者目線で物件を評価しています。
Bさんは、大家目線で物件を評価しています。

私(苅田)も、物件を取り組む基準として、入居者目線を徹底してきました。
一つの例としては、この物件に住みたいかどうか、自問自答してみます。

出来れば済みたくない物件だとします。しかし、満室経営できると判断すると買い付けに進みます。
これまで保有してきた物件で、特にシングル物件の80%は自分でも”あまり”住みたくない物件でした。
私の妻に言わせると、”絶対に”住みたくないという物件ばかりです。


勿論、絶対基準ではありませんが、これらの入居者目線と大家目線の違いに気が付いた段階で不動産投資家として、初心者の域を脱することができるのではないでしょうか。

実はもう一つ、初心者にありがちな行動パターン、絶対にやって欲しくない行動があります。
物件取り組みに進まない場合、初心者は必ずこの行動を取ります。

これを改善すると、物件取得に大いに前進すること、間違いありません。総計30億円を投資してきた私の絶対的経験則です。
これについては、別の機会に紹介します。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
 

今日で長かった連休も最後ですね、
さて、今日は地方政令都市における1棟RCマンションの生き残り策について考えてみました。


人口減少、世帯数減少、の日本では、地方政令都市の1棟RC賃貸マンションでも安泰ではありません。
物件価格が高止まりする中、投資に値する物件をどうやって探していけば良いか?

築20~30年未満のRC物件の利回りは地方政令都市と言えども、8%あれば今現在は良い方です。
しかし、都心部の郊外に位置したり駅から徒歩20分を超えるような立地では、今後は客付けに大変苦労するのは目に見えています。

実際、築30~40年のRC物件は、10%程度のものが数多く見受けられますが、空室だらけです。
いわゆる再生物件には、今の時代では誰も手を出さなくなっています。再生しても、入居者がいない状況だからです。


築20年~25年のRC1棟物件をまずは考えてみます。

まだまだ、築古とは言い難いので、この物件群は

(1)立地が最も重要なファクター
となるでしょう。

JR沿線、私鉄沿線、モノレール沿線で徒歩10分圏内を探すことです。しかし、徒歩圏内だけでは、競争力は低下するしかありません。では、何が必要か?ズバリ、
(2)買い物に便利な立地
です。

私が今メインで住居している北九州でも数多くの賃貸マンションがありますが、「駅近い+買い物便利な地域」でしか、人気がありません。

この状況を顕著に表しているのが、新築で大規模マンションの立地です。
よく観察すると、かならずこの「駅近い+買い物便利な地域」に建設されています。

新築でさえ、この状況ですから星の数ほどある中古の賃貸マンションではなおさらです。
さらに言えば、学校区が良く、ファミリー物件では駐車場が2台取れる条件ではBESTな選択でしょう。
駐車場の2台目は物件敷地内でなくても近隣パーキングがあればOKです。

まとめると、築20年代の1棟RCマンションは
(1)駅から徒歩10分圏内の立地
(2)買い物便利、近くに大規模商業施設
(3)学校区が良い
(4)駐車場2台可

がこれからは、満室経営にために最低限求められる条件と言えるでしょう。

では、築30~40年のRC物件、いわゆる再生物件には、投資に値しないか?
いいえ、そんなことはありません。誰もが手を出さなくなっているからこそ、ブルーオーシャンの世界が待ち受けています。

その扉を勇気をもって、開いた大家が大きなキャッシュフローを得る権利を有しています。
今日は長くなりましたので、この話題は別の機会に記すこととします。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
 

現在、当方保有の下記物件を売り出しています。

 

◆物件の概要

 

・オーナーチェンジ 区分バルク物件

・全5戸、満室運営中

・地方政令都市の湾岸エリア

・賃貸需要は問題無し

 (空きがすぐに埋まる)

・築26年

・83~85平米の4LDK

・駐車場1台権利付き

・売値 6368万円

・表面利回り 8%

・年間収益 510万円

・年間費用 210万円

 (管理費、修繕積立金、駐車場代、固定資産税)

・年間損益 300万円

 

減価償却費は150万円(売値の90%を残存年数で按分したおおよその目安)くらいと考えますと、150万円の年間利益に税金がかかります。

仮に30%とすると、年間45万円の税金になりますので、年間手残りは255万円となります。よって、税引き後の実質利回りは4.0%となります。

10年間のインカムゲインは、255万円×10年=2550万円です。

20年間のインカムゲインは、255万円×20年=5100万円です。

 

全額自己資金で投資を行い、持ち切りで考えると損する可能性は低い案件と思います。

実際、売れなくても良いと考えており、持ち切りで全然OKです。既に残債はほぼゼロになっていますので、老後資金を十分に補ってくれる物件です。

 

 

◆融資を半額使う場合

 

仮に融資を約半分の3000万円つかうと仮定すると、金利1%、返済期間20年ですと、年間の返済額は166万円(元金136万円、利息30万円が初年度)となりますので、年間手残りは約150万円(初年度)と試算されます。

10年間のインカムゲインは、おおよそですが150万円×10年=1500万円です、

 

10年保有して売却を考えると、5000万円(1戸あたり1000万円)では実需で比較的確実に売れると予想できます。残債はこの時点で1570万円まで下がっていますので、

・売却益:5000万円

・投資費用:3365万円+諸経費

・初期銀行融資:3000万円

・10年後の残債:1570万円

・簿価:6365万円ー10年間の減価償却額(6368万円×90%×1/2=2865万円、おおよその値)=3500万円

 

キャピタルゲインをキャッシュフローベースで考えてみます。

利益(キャッシュフロー):5000ー1570ー3368=62万円

62万円から購入時の諸経費を差し引いて考えないといけませんので、結果は考えるとトントンと考えます。よって、キャピタルゲインは得られないということになります。プラスマイナスゼロということです。

一方、インカムゲインは1500万円となります。

 

税務上利益は、キャッシュフローとは別に計算が必要です。

5000ー3500(減価償却後の税務上簿価、おおよその値)=1500万円

税率20%では、300万円

キャピタルゲインから支出は無理ですので、インカムゲインの1500万円から支出とすると、1200万円となります。

結局、半分融資を活用して10年保有して売却すると、

 

インカムゲイン:1500万円

キャピタルゲイン:ゼロ

税金(売却時):300万円

トータル収支:1200万円

 

非常に大雑把な計算ですが、融資利用では美味しいかどうか、個人的にはやや疑問も残るところです。

 

参考になりましたら、幸いです。